商品自体より世界観を! 写真は雄弁、「インスタグラム」販促術。

 スマートフォンから投稿できる写真共有アプリ「インスタグラム(Instagram)」。2012年から「Facebook」が運営し、昨年末には月間アクティブユーザーが世界で3億人を超えるという、急成長のSNSです。独自のフィルタ加工機能が備わっており、スマホで撮影した写真や動画もアート作品のように自由にカスタマイズできるのが大きな魅力です。

 その注目のメディアを、日本でも販売戦略やブランディングに活用する企業や店舗が増えています。利用している約7割が女性、さらに9割が35歳以下というデータに裏付けされるように、“若い女性層”にリーチしたい場合には特に威力を発揮するツールといえます。

 “雑誌感覚で眺めて、つい買ってしまう”という「インスタグラム」の特性上、アパレルやアクセサリー、コスメ、ブライダル、旅行、スイーツといった、写真で綺麗に見せることが効果的なジャンルと相性が良さそうです。企業や店舗などが販促ツールとして「インスタグラム」を活用するには、いくつかのポイントがあります。

・漠然と写真を並べるのではなく、テーマやストーリー性を持たせる。

・いくら販促ツールといっても、売り込みばかりの営業一色に陥らずに、あくまでもブランドの世界観を感覚的にアピールする。イベントのバックステージ、撮影の様子、商品の製作過程など、直接ビジネスには関係のない日常生活のネタなどを上手くあしらいながら。

・フォロワーを増やすために商品やサービスの写真に“#(ハッシュタグ)”を付けて投稿する。フォロワーしてくれた人に特典を付けるユーザー参加型キャンペーンや、ユーザーから商品やテーマに基づいた写真を募るフォトコンテストを行ったりするのに効果的。

・「インスタグラム」だけで完結しようとせずに、「Twitter」や「Facebook」といった他のSNSやリアル店舗と連携して情報発信していく方が、より「インスタグラム」効果が高まる。

・最大15秒の動画を、テレビCM的に巧みに活用する。

など。

 大手企業に限らず、個人経営の小さなショップなども「インスタグラム」を効果的に活用。人気アカウントになって新しいファンをつくったり海外ユーザーを獲得に成功しています。

 ユーザーの3割は米国で、7割がそれ以外の地域(国別の内訳は非公表)という「インスタグラム」。「Twitter」や「Facebook」を超える集客力を発揮するツールとして、もはや無視できない存在となった“視覚的な言葉”の今後に注目です。

※参考:
日経МJ(2015年8月21日付)