大容量で超高速。世の中変わる、「5G」が変える。

スマホなどで利用される「モバイル(無線移動体)通信技術」。その進化の軌跡は、アナログ方式の1G(Generation)=第1世代(1979年~)、デジタル方式の2G=第2世代(1993年~)、初の国際基準となった3G=第3世代(2001年~)、高速化が進んだ現在主流の4G=第4世代(2012年~)、そして次なる新技術としていま巷で話題となっているのが、「5G」(ファイブジー、まれにゴジー)と呼ばれる「第5世代モバイル通信システム」です。

この新技術は、私たちの生活やビジネスにどんな恩恵をもたらし、世の中をどのように変えていくのでしょう—-それは、5Gに備わっている3つの大きな特徴に関わっています。

1.超高速・大容量
通信速度が現行(4G)の数十倍~100倍と劇的に向上すると共に、動画のクオリティも格段にアップ。VR(仮想現実)を含む4K・8Kといったデータ容量の大きな高解像度の動画高速配信が可能となります。この、大量のデータを超高速で一気に送受信できるという特徴が、5G技術の“肝”となります。

2.超低遅延
データ通信時のタイムラグが1000分の1秒以下を実現。体感的にはほとんど感じず、遠距離通信でもズレが生じません。自動運転や遠隔医療、遠隔介護など、リアルタイムでの操作・制御が要求される領域での活用が期待されます。

3.多数同時接続
一つの通信基地局から同時に接続できる端末機器の数を大幅に増やすことが可能に。その数、1平方キロメートル当たり100万台以上といわれています。現行の100倍以上です。IoT化が進み、生活におけるあらゆるモノがネットに接続されるようになると、4Gのままではとても通信負荷に耐えられなくなります。5Gの導入が、IoTの普及には必要不可欠なインフラであるといわれる所以です。

5Gは、米国や韓国などですでに実用化がスタートしています。日本でも2020年の本格始動を前に、携帯大手や家電・自動車メーカーなどが中心となって数々の実証実験が重ねられています。
自動車、航空、医療、建設、住宅、教育、製造業、観光、エンタメ……画期的な5Gの技術は、これまでの4度の世代交代とは比べ物にならないほど、あらゆる産業を一変させてしまうほどの力を秘めているといわれています。テレビが白黒からカラーになったときの感動……5Gへの移行は、それよりもっと大きなものになりそうです。

参考:

総務省           http://www.soumu.go.jp/
朝日新聞デジタル(1019年1月7日付/同2月28日付/同4月10日付)
朝日新聞(2019年1月9日付)
日本経済新聞(2019年2月14日付)