近ごろの訪日客のお目当ては、日本流の“KAWAII”体験。

2016年の訪日外国人観光客数は前年比21.8%増の約2404万人、消費額は同7.8%増の約3兆7500億円で、共に過去最高を記録しました。
団体ツアーが減る一方で、リピーターを中心とした個人訪日客が増加し、滞在中の消費スタイルも“モノ消費”から“コト消費”へとシフト。日本でしかできない“体験型消費”がトレンドとなっています。特に、訪日女性客にとっては日本の美容に対する関心は高く、“美容消費”が盛り上がりを見せています。

これまでは化粧品購入が主でしたが、最近では美容室、エステ、ネイルなどの美容サロンやリラクゼーションサロンへの体験を希望する訪日客が増えています。その理由は、丁寧なおもてなし、レベルの高い技術力、最新のトレンド、店内の清潔感や衛生面、安心のセキュリティーなど。具体的には、ひざまづいての応待、ホットタオルを首にあててくれたりひざ掛けやクッションを用意してくれるなどの気配り、マッサージやシャンプーがとても上手でとにかく気持ちいい、寿司ネタ・歌舞伎・アニメなど日本ならではの繊細なデザインがカワイイ(ネイル)など、日本での“あたりまえ”が、外国人観光客にとっては感激のアピールポイントとなっているようです。

[H.I.S.]では、ネイルサロンや美容室で着付け&ヘアメイクが体験できるツアー「Kawaii Plan」を企画。
銀座で人気の美容室[UNIX]では、店頭に外国語表記のパンフレット等を置き、店内には中国語や英語が堪能なスタッフを配置。
東京・大阪を中心に美容サロンを展開する[フォーサイス]では、旅行会社や近隣のホテルとも連携して訪日客の取り込みに積極的。店独自のテキストを作ってスタッフの英会話研修も実践しています。

アジア圏の20~40代女性にとって、日本は「美容に関して憧れる国」のNO.1。(「ホットペッパービューティーアカデミー」2015年調べ)
なぜ、髪を切るために、ネイルをするために、エステに行くために、わざわざ日本へ? その答えはきっと、日本を訪れて身をもって体験した人にしかわからないのでしょう。
友人のお土産にはモノを買ったけど、自分へのお土産は美容体験—-そんな旅慣れた訪日客を迎え入れるコンセプトは、日本ならでの“KAWAII”です。すでに訪日客から高い評価を得ている日本の“美容サービス”は、今後さらに訪日観光の目玉となる可能性を秘めています。

※参考:

国土交通省観光庁            http://www.mlit.go.jp/
H.I.S.              http://www.his.co.jp/
UNIX                http://www.unix.co.jp/
フォーサイス              http://forcise.info/
ホットペッパービューティーアカデミー  http://hba.beauty.hotpepper.jp/
日本政府観光局(JNTO)       http://www.jnto.go.jp/
日経MJ(2017年3月31日付)