パパママ抜きで楽しもう! 広がってます、祖父母と孫の「孫トモ消費」。

 祖父母が孫のために支出する消費を「孫消費」あるいは「3世代消費」と呼ばれています。その額は、年間およそ3兆8000億円(2015年)という想像を上回るマンモス市場。内訳は、プレゼントやお祝い・お年玉が圧倒的で、次いで外食、旅行、レジャー、衣料品、習い事と続きます。
 ところが最近、これまでの「孫消費」のパターンに若干の変化が現われてきました。単に、孫のためにモノを買ってあげるだけでなく、孫と共に過ごす、友達感覚で一緒に行動するという「孫トモ消費」の傾向が強くなっています。孫を通して自分も楽しむという祖父母が増えており、積極的に孫を連れ出します。孫にとっても、両親とは違い、日常的なことを口うるさく言われることもなく気楽につき合えるし、時にはお金も出してくれる。

 “おばあちゃん”と呼ばせずに下の名前で呼び合って、ショッピングや映画、食事に出かけ、若者に人気のファストファッションで“おそろいコーデ”にも挑戦。エステやジム、流行の食べ物、デジタル機器など、孫からのトレンド情報に刺激を受け、共有します。孫が通っている英語教室に送り迎えしているうちに自分も始めてしまったという祖母や、孫のためにと購入して一緒に遊んでいた知育玩具を、“脳活”になっておもしろいと、自分用にも追加購入したケースも。
 孫と一緒に遊びたいので、というユーザーの声に応え、「リカちゃん」のおばあちゃん人形も登場しました(タカラトミー)。初期のリカちゃん世代が祖母になり、娘、孫の3世代でリカちゃんの楽しさを共有できるというわけです。
 実は、「孫トモ消費」の主役は、“祖父母×娘の子”の関係が濃密だといわれています。特に“育ジイ=孫育ての積極的な祖父”と育児サポートを求める母親(娘)との間に、父娘時代とは異なる新たな相互関係が構築されているという点も興味深い傾向といえます。

 いまの祖父母世代の主流は、団塊世代。消費トレンドの担い手であり、感覚が若く、消費することの喜びや楽しみ方を知っている世代です。だからこそ成立する「孫トモ消費」といえます。
 10月の第3日曜日は「孫の日」(日本百貨店協会が提唱)。孫の喜ぶ顔見たさに、日本中の祖父母の財布のヒモが緩むことでしょう。しかし、このような「孫トモ消費」現象で最も恩恵をこうむっているのは、孫たち本人よりも、おかげで自由な時間といくばくかの経済的支援まで手に入る、孫の親たちかもしれません。

※参考:
タカラトミー     http://www.takaratomy.co.jp/
日経МJ(2016年4月18日付)