いつも一緒にいたいから! 拡大する「ペット同伴」市場。

 一人暮らしや高齢世帯の増加、少子化の進行などに伴い、犬や猫などのペットは飼い主にとって家族の一員、“コンパニオン・アニマル(伴侶動物)”という考え方が定着しました。それに伴い、飼い主はいっそうペットにお金と手間をかけるようになり、関連ビジネスのすそ野は着実に広がりを見せています。

 ペット用美容室やペットホテル、ドッグカフェ、ペットシッターなど、新たなサービスが続々と登場する中、“ペットと焼肉”という珍しい組み合わせで話題になっているのが、[肉菜工房うしすけ](東京)。同伴できるのはテラス席限定で、ペット同士が騒ぐのを防ぐためシート間の仕切りを高く設定し、シートマットも常備。ロース肉の「ワンすけプレート」1,296円など、専用メニューも充実しています。

 アパレルショップにドッグカフェを併設した[ドッグデプト+カフェ 湘南江ノ島店](神奈川)の売りは、ペットとのペアルック商品。専用のドッグメニューの他、店内のルーフテラスにはドッグランも併設されています(2時間1匹1,080円)。

 挙式時に、ペットを同伴できるサービスを行っているホテルや結婚式場も増えています。[ホテルニューオウミ](滋賀)では、ペットと家族そろっての記念撮影の他、結婚証明書に肉球で“捺印”する演出が大好評。

 愛犬と一緒にコースを回れるゴルフ場も人気です。[鹿島の杜カントリー倶楽部](茨城)では、10年ほど前からペット同伴プレーを実施(リード付き)。

 他にも、ペット同伴専用客室やドッグクローク、全天候型ドッグラン、ドッグカフェなどを完備したホテルや老舗温泉宿、各地のショッピングモール、遊園地などのレジャー施設や旅行プラン商品など、ペットと一緒に楽しめるサービスは広がっています。

 ペットを飼えるマンションが急増し、室内で飼う世帯が増えたことが、ペット用品市場の拡大に拍車をかけました。

 今後のキーワードは、ペットの高齢化です。2013年度の平均寿命は、犬が14.19歳、猫が15.01歳。人間の年齢に換算すると、小型犬なら72歳、大型犬なら93歳、猫は76歳に当たります(ペットフード協会)。犬猫用の歯ブラシに代表されるような高齢のペット用品の拡充。また、ペット向けの保険や老いたペットを介護する施設やサービスも登場しています。

※参考:
うしすけ               http://www.ushisuke.com/
ドッグデプト            http://www.dogdept.com/
ホテルニューオウミ        http://www.newomi.co.jp/
鹿島の杜カントリー倶楽部   http://www.kashimanomori.net/
(社)ペットフード協会       http://www.petfood.or.jp/
日経МJ(2015年2月16日付)