“うまい、もう一杯!”飲み味進化して、「青汁」人気上昇中。

青汁=マズイ、というイメージが広まったのは、1990年代に放映されていた某バラエティー番組の罰ゲームで使われてからです。さらに同時期に流された九州のメーカー[キューサイ]のテレビCM、「う~ん、マズイ!もう一杯!」の強烈なフレーズが青汁の“マズさ”を全国に知らしめることになり、ありがたくないイメージが定着してしまったようです。

青汁は、アブラナ科の野菜である「ケール」を主原料として開発されました。“緑黄色野菜の王様”と呼ばれるほど栄養価はずば抜けて高いのですが、“えぐみ”と青臭さが強いため、日本では食材として食する習慣はありませんでした。特に当時の青汁は、ケールの搾り汁をそのまま冷凍したもので、独特の青臭さがダイレクトに鼻にきて、飲みにくいのも当然でした。
しかし、それも昔の話。マズさの要因だったケールの代わりに、最近は「大麦若葉」や「明日葉」「桑の葉」などが主原料として急浮上。中でも大麦若葉は、栄養価の高さはケールに負けず劣らずの高評価のうえ、クセのないさっぱりした味わいが好評です。
と言っても、ケールが入っているすべての青汁がマズイというわけではありません。あくまで、ケール100%のピュアな青汁が飲みにくいということ。現在は、粉末タイプが主流で、水だけでなく、牛乳や豆乳、フルーツジュースなどで割ったり、ヨーグルトにトッピングしたりデザート感覚で楽しめます。

青汁を、主力の「お~いお茶」を超える新たな柱にと意気込んでいるのは[伊藤園]。「ごくごく飲める毎日1杯の青汁」と「毎日1杯の青汁 無糖」(ともにPET)を今春発売。
[アサヒグループ食品]は、若い女性をターゲットに48種の植物発酵エキスを配合したすっきりした甘さの「フルーツ酵素青汁」(粉末)を今春発売。
[日清食品]も今年、青汁市場に参入。次世代スーパーフードとして注目されている“モリンガ”の青葉を使用した「奇跡のモリンガ青汁」(粉末)を発売。
“親子で飲める青汁”をコンセプトに、鉄分を配合した「子供と一緒においしい!フルーツ青汁」(粉末)を発売したのは[永谷園]。
青汁の老舗[キューサイ]は、山田養蜂場のハチミツを使った「はちみつ青汁」(粉末)が好評です。

若い世代でも生活習慣病が問題視されるようになってきた昨今。CMにも若いモデルを起用するなどして、高齢者だけの飲み物というイメージを払拭。今後、青汁未経験者をいかに取り込んでいくか。10年連続で拡大を続け、野菜ジュースの牙城に迫ろうかという勢いの青汁市場から目が離せません。

※参考:

キューサイ         https://www.kyusai.co.jp/
伊藤園           https://www.itoen.co.jp/
アサヒグループ食品     https://www.asahi-gf.co.jp/
日清食品          https://www.nissin.com/
永谷園           http://www.nagatanien.co.jp/
朝日新聞(2018年3月6日付)