らしくない日本酒。これからの乾杯は、発泡性日本酒の「あわさけ」で。

見た目(ボトルデザイン)にもオシャレで、口当たりのよい飲みやすい日本酒として、「スパークリング(発泡性)日本酒」の人気が高まっています。日本酒が苦手な人が感じる、鼻につく独特のニオイや重くまったりした飲み心地、高いアルコール度数といったものとは無縁。シュワシュワッ!とシャンパンのように細かな泡が立ち、フルーティーですっきり爽やか。日本酒とは思えない透明感のある味わいです。アルコール分も一般の日本酒の3分の1程度と低く、日本酒ビギナーや女性にもぴったり。

製法は、シャンパンと同じ“瓶内二次発酵”。原酒を発酵途中のにごりを残した状態で瓶詰めして、その中でさらに発酵させ、その際に発生する炭酸ガスをそのまま封じ込めて低温で熟成させる、まさに“お米のシャンパン”です。

20年ほど前から数々の酒造会社が参入し始め、いまでは100を超える銘柄が登場しています。そんな「発泡性日本酒」の魅力を世界に広めるべく、8社の蔵元がメンバーとなり、昨秋、「awa酒(あわさけ)協会」を立ち上げました。これまで発泡性日本酒の製法や品質の基準がなかったため、厳格な基準を設けて品質を保証し、ブランディングを後押しします。“商品開発基準”として、国産米100%使用の日本酒であること、自然発酵による定められたガス圧の炭酸ガスのみを保有していること、透明で注いだ時に泡が立つことなど、全6項目に適合したものだけを「awa酒」と定義・認定し、シャンパンやスパークリングワインと肩を並べる存在になることを目指します。
「MIZUBASHO PURE」(永井酒造/群馬)、「菊泉ひとすじ」(滝沢酒造/埼玉)、「八海山あわ」(八海醸造/新潟)など、価格帯は3000~5000円程度(720ml)。

世界の乾杯シーンで飲まれるお酒はほとんどがスパークリングです。和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本酒にも注目が集まるなか、世界品質の「awa酒」を世界の乾杯酒ブランドに——協会では、共鳴する酒蔵をさらに増やしながら、若年層の開拓や海外進出に弾みをつけ、狙うは、来たるべき東京五輪での公式乾杯酒です。

※参考:

(一般社団法人)awa酒協会      http://www.awasake.or.jp/
日経МJ(2016年11月4日付)