知識と情熱の証し。趣味の領域にまで広がる「検定」人気。

「検定」といえば、就職や仕事に役立つスキルを磨いて資格を取得するといった、どちらかというとお堅いイメージが一般的でしたが、近ごろの検定は、そういった実務的なものより、“趣味”の領域で盛り上がりを見せています。
一種の“オタク度”を測る指標として活用されてきているようで、検定の種類も、無いジャンルは無い、と言われるほど多岐に渡っています。例えば——-
ゴジラ誕生65周年を迎える今年から、「ゴジラ検定」がスタートします(企画・運営/東宝・日本出版販売)。ゴジラファンなら知っておきたい様々な問題が出題。受験料は、初級5000円、中級6000円。検定のための公式テキスト(1400円)の販売や、試験当日には、会場(東京・大阪)での限定グッズ販売のほか、合格者のみに検定オリジナルグッズが販売されます。
「なにわなんでも大阪検定」(企画・運営/大阪商工会議所)は、「江戸検定」と並んで受験者数が多い人気ご当地検定の一つで、年1回(秋)、大阪で実施されます。受験料は、初級3800円、上級5800円。
納豆をより楽しむための知識をつけてもらいたいと生まれたのが、「納豆真打検定」(企画・運営/全国納豆共同組合連合会)。100点満点で、55点以上が“前座”、75点以上は“二つ目”、90点以上で晴れて“納豆真打”に認定されます。受験料は4000円、東京と名古屋で実施されます。
外国人が日本で賃貸住宅を借りるときにいろいろサポートする資格が取得できる「賃貸生活マナー検定」というものもあります(企画・運営/賃貸生活マナー検定協会)。主催者企画の公式テキストより出題され、100点満点の96点以上が上級、85~95点が中級(84点以下は不合格)。受験料は6480円。
ほかにも、「朗読検定」「成田空港検定(そらけん)」「発酵検定」「ねこ検定」「古文書解読検定」「ことわざ検定」「日本さかな検定(ととけん)」「入浴検定」「深海生物検定」「日本掃除能力検定」「夜景観賞士検定」等々、趣味系検定の種類は枚挙にいとまがありません。

趣味系検定をビジネスとして展開している代表格が、出版取次最大手の[日本出版販売]。各検定には、それぞれ指定された公式テキストが存在し、そこから出題されることが多いため、受験者にとって購読必須であるテキスト本の販売が事業の中心となります。また、検定の種類によって催される“関連イベント”も検定ビジネスの大きな柱となっています。

人生百年時代といわれる中、幾つになっても自分が好きなことへ挑むあくなき向学心、思い入れの証しをカタチにしたいと励む情熱。どうやら、趣味系の盛況で、検定の世界に新たな社会的意義が付加されたようです。

※参考:

日本出版販売        http://www.nippan.co.jp/
日経МJ(2018年9月28日付)