ユーザーには歓迎です。活発化する、「ポイントサービス」再編の動き。

 ショッピングや飲食の際にもらえる「ポイントサービス」。かつては、購入店舗への再来店を促すのが主な目的だったため、利用した店舗でしか使えないという性格のものでした。しかし、消費税率引き上げ以降のポイント志向の高まりから、顧客視点でのサービス展開が求められるようになると、従来の閉鎖的なポイント施策だけではカバーしきれなくなってきました。そこで進化したのが、異なる複数の企業・店舗間でポイントをやりとりできる「共通ポイントサービス」のシステムです。1枚のカードで、実店舗でもネット上のショッピングでも、業種・業態を超えて貯めたり使ったりできるのが最大の特徴です。

 “三大共通ポイント”と呼ばれているのが、「Tポイント」(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)、「Ponta(ポンタ)ポイント」(ロイヤリティ・マーケティング)、「楽天スーパーポイント」です。

 王者として君臨するのは、国内最大規模の「Tポイント」。[ファミリーマート][ソフトバンク][エディオン]などが主な提携先です。

 その背中を追うのが「Ponta」。主な提携先は、[ローソン]を筆頭に[リクルート][HIS][JAL][ビックカメラ]など。

 そして2013年、その2強に割って本格参入してきたのが、ポテンシャルの高さを誇る「楽天スーパーポイント」です(翌年には「Rポイントカード」がスタート)。主な提携先は、[サークルKサンクス]や[出光興産][ミスタードーナツ]など。

 それぞれ利用店舗数の拡大とユーザー獲得を目指して、ポイント交換先の見直しを図りながらの再編の動きが活発になっています。

 2012年に発表された「Yahoo!ポイント」と「Tポイント」の統合が再編の序章でした(実施は2013年)。この衝撃的な情報は、ネットとリアルを横断した日本最大の共通ポイントサービスの誕生と言われ、その後の業界を大きく揺るがすエポックとなりました。さらに今年5月、[NTTドコモ]が共通ポイントに参入するというニュースが駆け巡りました。「Pontaポイント」と提携して、今年12月から「dポイントカード」が誕生することになります。

 また[東京電力]も、「Ponta」と「Tポイント」の双方と提携してポイントサービスを開始。2016年4月からの電力小売り全面自由化に備えます。

 「共通ポイントサービス」の広がりは、購買データの収集・分析に大きく貢献します。“顧客プロファイリング”を蓄積してビッグデータとして解析。1社だけで集積した顧客データより、複数の多様な業種から集めた消費者情報が、より精度が高まるのは明らかです。

 各ポイントサービス間の競争激化は、ユーザーにとってはメリット大。賢い活用法としては、全種類のポイントカードを所持して使い分けるのが得策とのこと。

※参考:
カルチュア・コンビニエンス・クラブ http://www.ccc.co.jp/
ロイヤリティ・マーケティング     http://www.loyalty.co.jp/
楽天                    http://www.rakuten.co.jp/
NTTドコモ                https://www.nttdocomo.co.jp/
東京電力                 http://www.tepco.co.jp/
日経МJ(2015年7月10日付)