掃除のやり方まで変えた、トイレと「クリーナー」の、二人三脚的進化。
シートタイプをはじめ、ジェル、泡など、高機能の新商品が相次いで投入されている「トイレクリーナー」市場が、堅調な伸びを見せています。成長の背景には、トイレ(便器)自体の進化が大きく寄与していることは明らかです。
より清潔に、より快適に、そして最大のポイントである、よりお手入れしやすいことをテーマに開発され進化してきたトイレ。その流れに足並みをそろえるかのように、トイレ掃除の方法も、掃除すべき箇所も変わってきました。便器自体の性能が、汚れが付きにくく落ちやすくなったため、こびりついた黒ズミや黄バミを力まかせにゴシゴシこすって落とすという掃除方法から、材質を傷めずに優しくサッと掃除する方法に変わってきたのです。掃除する箇所も、これまでは外から見える便器の中が中心でしたが、最近は見落としがちな便器の細部(便器と便座のすき間など)へと掃除ポイントが移り、かつ小さな汚れのうちから毎日こまめに落とすことが主流となるなど、トイレの進化がトイレの掃除スタイルまで進化させてしまったのです。
[大王製紙]は、世界初となる、ナノ繊維“セルロースナノファイバー”をクリーナーシートに応用した「エリエール キレキラ!目に見えない汚れまで徹底トイレおそうじシートナノEX」を今春発売。髪の毛の5千~1万分の1の極細ナノ素材を配合し、商品名の通り、目に見えない細かな“ナノ汚れ”(菌、尿ハネ、ニオイ、皮脂汚れなど)まで徹底キャッチできるシートを実現。また、シートの強度を従来品の2倍に高め、より破れにくい工夫も。
ある調査によると、「主婦が嫌いな家事」のトップが“トイレ掃除”で、主婦の4人に1人は“本当は夫にやってほしい”と思っているという結果が。また、夫婦の6組に1組が“トイレの汚れ”が原因で夫婦喧嘩をしたことがあるとのこと(大王製紙調べ)。
トイレ掃除でクリーナーを使っているのは68%(花王調べ)。まだ多い“雑巾派”からの乗り換えを狙って市場の攻防が激しさを増すなか、家庭内トイレ掃除を巡る夫婦間バトルも激しさを増していくのでしょうか—–。
※参考:
LIXIL http://www.lixil.co.jp/
TOTO http://www.toto.co.jp/
花王 http://www.kao.com/
大王製紙 http://www.elleair.jp/
日経産業新聞(2017年5月25日付)