ギルトフリー」だから、もうスイーツなんか怖くない

小麦を使った甘いお菓子は、高カロリーで糖質たっぷり。ダイエット中の人はもちろん、少しでも健康に留意している人なら、“食べたら太るかも”“体に悪そう”といった後ろめたさ、罪悪感(=guilt)が頭をよぎります。それを感じない(=free)、あるいは軽減できるようなフード類が「ギルトフリー」と呼ばれています。

ギルトフリー食品とは、低カロリーで無添加、低脂肪、小麦不使用、動物性たんぱく質不使用、砂糖不使用といった特徴を持った食品のことを指します。一見、地味でマズそうと思われがちですが、“良薬、口に苦し”の常識を覆す美味しさと見た目が、広く支持されている理由です。
その代表格が、ナッツとドライフルーツをボール状に固めた「ブリスボール」と呼ばれるスイーツ。オーガニック大国、オーストラリア発祥で、“イチジク×くるみ”“ゆず×クコの実”など、素材そのものの甘みを楽しみます。日本では2016年、ブリスボール専門店[FOOD JEWELRY]がオープンしました。

海外のセレブたちがこぞって愛用中と話題になっているのが、「GHEE(ギー)」という油。発酵無塩バターから水分やたんぱく質を取り除いた純粋なオイルで、インドなどで古くから使われていました。脂肪燃焼をサポートしてくれるほか、マッサージオイルとしての効果も。

モデルやアスリートたちが注目しているのが、カンガルーの肉「ルーミート」。日本ではまだ馴染みがない食材ですが、クセもなく食べやすい味。鶏肉と比べても脂質・カロリーが断然少なく、高たんばく、高鉄分、低コレステロールが特徴です。

定期的にギルトフリーのお菓子が届くサービスもあります。それが[snaq.me(スナックミー)]。有機ドライフルーツを使用し、チョコではないのにチョコの味がする「ショコラ きなこ」など、約150種類の中から8種のお菓子を詰め合わせた「ギルトフリースナックBOX」が毎月、または隔週で届くシステム。
居酒屋にもギルトフリーの波が押し寄せています。鍋専門店「ゆるり屋」(際コーポレーション)では、昨秋から低カロリー、低糖質、コレステロールゼロの植物性飲料“アーモンドミルク”を使った鍋を5種類そろえました。期間限定メニューとしてスタートしましたが、好評のため定番メニューに格上げされるほどの人気です。

“体にいい”をキーワードに、食の新たなトレンドになりそうな「ギルトフリー」。外食店のメニューやコンビニの品ぞろえなどに、急速にギルトフリー化が波及している現状を目の当たりにすると、やがて“食品=ギルトフリー”が当たり前となる日が遠くないことを予感させてくれます。

※参考:

FOOD JEWELRY          http://food-jewelry.com/
snaq.me               https://snaq.me/
際コーポレーション株式会社     https://www.kiwa-group.co.jp/
日経MJ(2018年2月28日付/同3月28日付)