化粧品も“ついで買い”。価格も容量もコンビニサイズです

いま、コンビニエンスストアが、化粧品市場にとって重要な販路となってきています。
大手化粧品メーカーが続々とコンビニ専用商品を投入し、コンビニとタイアップした限定商品やオリジナルブランドを展開。価格は、ほとんどが1000円以下の低価格でサイズも少量でコンパクト。ポーチにしまいやすく、持ち運びに便利。価格も大きさも、手軽な“コンビニサイズ”にこだわって女性のニーズに応え、“ついで買い”需要の取り込みを図ります。

[ローソン]で限定販売されているのは、[資生堂]の「インテグレート」ブランド。中でも、ローソンとの共同企画で立ち上げた「ポーチインコスメシリーズ」に今春、口紅とリップクリームのセット商品(500円/税別)が追加。通常の同シリーズ商品より、価格が半分以下、容量も3分の1のミニサイズで登場しました。
[カネボウ]の「メディア」を販売しているのは[ファミリーマート]。容量・価格を通常の半分近くに設定し、コンビニ限定として昨年8月に立ち上げた「メディアミニ」シリーズが好調です。コンビニ利用頻度の高い20~30代女性を狙って、携帯性を高め、かつ短期間で使い切ることができるように開発したことが奏功。人気のカード型ファンデーションや化粧下地、ファミマ限定色のネイルカラーなど(各500円/税別)品ぞろえも豊富です。
他のコンビニが大手化粧品メーカーと手を組む中、[セブンイレブン]は独自に化粧品を開発。「パラドゥ」というセブンのみで販売するオリジナルブランドを展開しています。特に、コンビニコスメ通の間で評判なのが、ベースメークからリップ、アイ、ネイルメイクまでそろった「お直しさんシリーズ」(300~1100円/税別)。同店では他に、[ファンケル]とのコラボで生まれたセブンオリジナルの基礎化粧品ブランド「ボタニカルフォースシリーズ」も販売されています。

現在、化粧品市場の販路は、上位から、ドラッグストア、通販(ネットを含む)、百貨店、そしてコンビニの順。コンビニのコスメなんて……と甘く見られていた風潮をしり目に、実はコンビニは、高品質で使い勝手のいい化粧品の宝庫だということに女性たちは気付き始めたようです。それもそのはず。限られたスペースに売れ筋商品を厳選して陳列するコンビニには、激戦を勝ち抜くだけの商品力やここでしか手に入らないこだわりの商品だけがそろっているのですから。

※参考:

ローソン             http://www.lawson.co.jp/
資生堂              http://www.shiseido.co.jp/
カネボウ化粧品          http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/
ファミリーマート         http://www.family.co.jp/
セブン‐イレブン・ジャパン     http://www.sej.co.jp/
日経MJ(2017年10月2日付/2018年3月30日付)