飲み会も、終わり良ければ……新たな「シメ〇〇」、続々登場。
お酒を飲んだ後の“シメ”と言えば、ラーメン、お茶漬け、雑炊といったところが定番でしたが、近ごろではシメの世界にも新顔が現れ、ずいぶんと様変わりしてきました。
麺類、ご飯ものを押しのけて堂々の一番人気となり、シメ・メニューの勢力図を塗り替えたのは、スイーツ類でした。その代表格が、「シメ・パフェ」。10年以上前から、札幌ススキノでは深夜にパフェやアイスを食べるのが人気で、“夜パフェ”などと呼ばれ、知る人ぞ知る的な静かなブームとなっていました。それがじわじわと全国に広まって、いまでは男性や年配客も深夜に行列をつくるほどの盛況ぶり。価格は1000~2000円。
また、ふわふわに削った氷が、お酒の後の口直しにちょうどいいと、シメ人気急上昇なのが「かき氷」。朝まで営業するお店もあるほどです。
ここにも“インスタ映え”の影響が押し寄せ、シメ市場の多様化に“貢献”していることは間違いなさそうです。カラフルで見栄えがして、かつこれまでのシメになかった面白いメニューが、投稿心をくすぐるのでしょうか。
外でお酒を飲んだ後のシメを、そのまま飲んでいる店で食べるのか、別の店に移動して食べるのか、好みが分かれるところ。飲み会自体が減少傾向にあるなか、居酒屋チェーンでは、客単価を上げるためにも“一店完結”がこれまで以上に重要になってきています。いわば飲み会の“ワンストップ”を目指し、個性的シメ・メニューの開発を競い合っています。
[養老乃瀧]では、牛丼が十数年ぶりに復活。和風ダシを利かせたあっさり味で、シメの人気商品となっています。一般的な丼サイズより小ぶりで330円(税別)。
[鳥貴族]の人気シメ・メニューは、「カシスシャーベット」やメープルシロップを浸み込ませたスペインの「チュロ」などのスイーツ。
[串カツ田中]のシメの一押しは、大阪名物の「肉吸い」(肉うどんのうどん抜き)。大きめの豆腐とちょっと甘辛く煮られた肉のスープは、飲んだ後にぴったりと好評。
“つまみ”での差異化が難しくなっている居酒屋で、シメの一品で客の胃袋を満たすことができるか——飲食店全般にとってシメ・メニューは、いまやもう一つのメイン・メニューとも言えるほどの存在感を発揮し、集客力に直結しているのです。
※参考:
札幌パフェ推進委員会 http://sapporo-parfait.com/
養老乃瀧 http://www.yoronotaki.co.jp/
鳥貴族 https://www.torikizoku.co.jp/
串カツ田中 https://kushi-tanaka.com/
日経MJ(2017年11月27日付)