年齢・性別・料理スキル、不問。スイッチ押すだけ、「電気鍋」

近ごろ、共働き世帯や単身世帯の間で人気が高まっている家電といえば、「電気鍋(自動調理鍋、自動圧力鍋、電気圧力鍋などとも呼ばれる)」。熱源に、じか火(ガス)ではなく、電気ヒーターもしくはIHを用いた調理鍋のことで、食材と調味料を入れてスイッチを押すだけで、あとは鍋が勝手に調理してくれる、いわゆる“ほったらかし家電”の代表格。安全面から、高齢者や子どもにもユーザー層が拡大しています。

電気鍋が最も普及しているのは、共働きが当たり前の国、フランス。そして、この分野の世界的ブランドが[ティファール]です。昨秋発売された「クックフォーミー エクスプレス」(実勢価格4万3000円前後)は、1台で“圧力調理・蒸す・炒める・煮込む”の4役をこなし、内蔵されているレシピ数は150種類。さらに、15分以内で調理できる時短系レシピは136種類も搭載されています。

日本勢で市場をリードするのは[シャープ]。業界初の“電気無水鍋”として話題となった「ヘルシオ ホットクック」は、温度と蒸気をセンサーで見張り、火加減をコントロールしながら、調理中に食材から発する水分を鍋に還元することで“無水調理”を実現。昨秋発売された高機能モデル「KN-HW24C」(6万6000円前後)には無線LANを搭載。本体にはすでに155のレシピが登録されていますが、クラウドサービスからダウンロードして本体に送信するだけで新たなレシピを追加することができます。

“おまかせ予約調理”と“無水調理”機能を新たに追加して昨秋発売された[象印マホービン]の自動圧力IH鍋「煮込み自慢 EL-MB30」(3万円台)。象印ならではの炊飯器の技術を活かした“選べる圧力調整機能”を備えているのが大きな特徴。食材をやわらかく、味をしっかりとしみ込ませることができます。

2015年に発売した電気圧力鍋が、コンパクトな形状と手ごろな価格でヒット商品となった[シロカ]。昨秋発売された新機種「SP-D121」(1万6000円前後)は、圧力・無水・蒸し・炊飯・温め直しの1台5役。

家事の省力化ニーズが高まるなか、“カンタン”と“ジタン(時短)”、2つの“タン”をキーワードとしたお助け家電、電気鍋の需要はますます拡大していくことが予想されます。レンジや冷蔵庫が現代の生活には欠かせない家電となったように、“一家に1台、電気鍋”という時代も、あながち夢物語ではなさそうです。

※参考:

ティファール          http://www.t-fal.co.jp/
シャープ            http://www.sharp.co.jp/
象印マホービン         https://www.zojirushi.co.jp/
シロカ             https://www.siroca.co.jp/
日本経済新聞(2017年11月4日付)
日経産業新聞(2018年3月12日付)